【アンパンマンのマーチ】〜ピアノ動画あり やなせたかしさんの アンパンマンに秘められた思い 〜弟への鎮魂歌〜パート1
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もう25年以上もの間ずっと人気キャラクターの歌、誰もが知っているこの曲に、実は秘められた深い思いがあったのだという事を、どれ位の方がご存知でしょうか…
その人気キャラクターの歌というのが、 アンパンマンのマーチ です。
今回は、アンパンマンのマーチのピアノを弾きました。
同時に、そのアンパンマンのマーチを作った やなせたかし さんについて書いていきます。
【執筆者】ピアノ教師/50代女性/滋賀
この記事の目次
アニメ「それいけ!アンパンマン」の主題歌
画像元:http://www.asahi.com/topics/word/やなせたかし.html
♪そうだ、うれしいんだ/生きる喜び/たとえ胸の傷がいたんでも/
♪何のために生まれて/何をして生きるのか〜
作詞は『やなせたかし』さんです。
三木たかしさんの作曲が先に出来てカセットが送られてきたそうです。
その曲に歌詞をはめ込んだのだとか。
やなせたかしさんについて
本名はもちろん漢字で、柳瀬嵩さん(難しい漢字ですね)
おそらく小さい子供達には読めないと思われて平仮名にされたのでしょうか…
1919年に生まれ、大正・昭和・平成と激動の時代を生きてこられ、2013年に94歳で亡くなられました。
生涯現役であったやなせたかしさんは沢山の肩書きをお持ちです。
漫画家であるのは誰もが知っていますが、ある時は作詞家、絵本作家、シナリオライター、デザイナー、編集者などなど…
又あまり知られてないかもしれませんが、80歳で作曲をして84歳でCDを出して歌手デビュー、年に数回はコンサートを開催されてたとは驚きです!
やなせたかしさんの本
どんな人生を送ってこられたのか、以前から大変興味があったのですが、ある時「やなせたかしおとうとものがたり」という本に出会いました。
題名は全部平仮名ですが、中をめくると漢字には読み仮名が振ってあり、子供達にも読めるようにという配慮が見受けられます。
この本は亡くなる3年程前にエッセイとして執筆された未発表の原稿を2014年9月に初版発行されました。
やなせたかし・おとうとものがたり
やなせたかしさんには2歳違いの弟さんがおられたのですが若くして戦死されたのでした。
やなせさんは自分の人生が晩年近くになって、もし父と弟がもう少し長く生きていたら…と書いておられます。
『父親が32歳、弟は22歳でこの世を去った。
あまりにも早すぎる。
新聞記者だった父が赴任先の外国で亡くなり父の死で色々な事が変わった。
その時自分は5歳、まだ3歳の弟は、医者をしていた父の兄(伯父)の養子になり、自分は暫く母と暮らしていたが、ある時母から、「嵩は暫く伯父さんのとこで暮らすのよ。病気があるから伯父さんに治してもらいなさい。」と言われた。
母は再婚し、弟は養子に、自分は独り…天涯孤独になったと思った。
伯父夫婦の元で東京高等工芸学校(現千葉大・図案科)に進学するまで弟と一緒に育てられた。
でも自分は居候…
弟はお医者さんの坊ちゃんで、自分は坊ちゃんの兄が世話になっているという感じだった。
でも、弟とは何をするのも一緒だった。』
「アンパンマンのマーチ」の歌詞に秘められた思い
この曲は本当に深いと思います。
京大に進学し22歳の若さで戦死された弟さんを思い作った歌ではないかという説がずっとあり、また、やなせたかしさん自身も、
「特攻隊として飛び立った弟は二度と母国の地を踏むことは無いと知り、胸の痛みを感じながらも、涙こぼすことなく恐れることなく飛んだ。みんなの夢を守るために。」
と書いておられます。
改めて「アンパンマンのマーチ」ピアノソロで聴いてみて下さい。
本当は深いアンパンマンのマーチ
動画「アンパンマンのマーチ」
自分を犠牲にして弱い人を助けるヒーロー
空腹の人に自分の顔を食べさせる行為=自己犠牲ですよね。
中々出来ることではないと思います。
人間にとって最も辛いのは「飢え」だと…やなせたかしさんは語られています。
やなせたかしさん自身も、戦争に徴兵され、そこで飢餓体験し本当に辛い思いをされたそうです。
だから悪と戦うのもカッコいいけど、本当のヒーローなら先ず飢餓に苦しむ人達を救うべきだと考え、その思いをアンパンマンに託された
のだそうです。
やなせたかしさんの晩年
アンパンマンは、初めは平仮名タイトルの「あんぱんまん」だったとか、後年片仮名の「アンパンマン」になり人気が出てきてアニメ化への話が、その時やなせさんは60代の後半で、漫画家としては旬の季節は過ぎているからノンビリ暮らそうと思っていたところ、遅咲きの売れっ子漫画家に…
人生って、わからないものですね。
生涯現役の裏に…
晩年は色々な病気と闘ってこられたそうです。
重病人ならぬ「十病人」と言っておられます。
生きていられるのが不思議であると…
また、74歳の時には奥様に先立たれて暫くは全く元気がなくなりもう駄目だと思ったとか…
でも又必死になって仕事をしている内に体調が戻り、アンパンマンに救われたと言っておられます。
そして、94歳で亡くなる寸前まで仕事をされ生涯現役を貫かれました。
やなせたかしさんの人生から学ぶこと
皆それぞれの人生、生まれてくる時代も国も親さえ選べない…
そして、時間とは、「命そのもの」であるということ。
自分の時間をどう生きるのか…
【今】を全力で生きること。
絶望しないこと。
諦めないこと。
やなせたかしさんから色々な事を学ばせて頂きました。
もう一度じっくりと「アンパンマンのマーチ」を味わって聴いてみたいと思います。