心優しき作曲家、モーリス・ラヴェル
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モーリス・ラヴェル(1875~1937)
フランスのバスク地方出身です。
彼の代表作に真っ先に挙げられるのは「亡き王女の為のパヴァーヌ」でしょう。
彼は印象派と言う時代に生き、同時代にクロード・ドビュッシーが居ました。
彼の音楽の特徴と言えば「繊細かつ優しいメロディ」と「綿密に練られた楽曲」でしょう。
この記事の目次
亡き王女の為のパヴァーヌ
冒頭で挙げた「亡き王女の為のパヴァーヌ」は、ディエゴ・ベラスケスによるマルガリータ王女の肖像画を参考に作曲されたと言われています。
曲名にもある「亡き王女」とは実際に無くなった王女と言う訳ではなく、原題の「Pavane pour de Infante défunte」の語呂の良さから付けられたそうです。
この曲は非常に美しいメロディから始まり、ロンド形式と言う主要なメロディを別なメロディと交互に登場させ印象づける手法となっています。
1つ1つの音がみずみずしく、優しさに溢れ、若き日のマルガリータ王女の無邪気に遊んでいる姿が脳裏に浮かぶような繊細で温かい手で抱きしめられているような、そんな美しい曲です。
幼き頃のラヴェル
ラヴェルは非常に母思いで、幼き頃には母の子守唄やおとぎ話を何時間もじっと聞くような子供だったそうです。
ラヴェルがフランスの為に第1次世界大戦に志願兵として任務を行っている間に母の訃報をきき、大幅に作曲意欲を無くしてしまったほどに母を愛していたのでしょう。
有名な話
「亡き王女の為のパヴァーヌ」には有名な話があります。
ラヴェルは晩年、記憶障害や言語障害に悩まされる事になります。自分のサインも見本を見なくては書けないほどに重症になっていたそうです。
そしていよいよ自分の作った曲をも忘れてしまうのです。
そして友人がこの「亡き王女の為のパヴァーヌ」を聞かせたところ「とても美しい曲ですね。誰が作ったのですか?」と聞いたそうです。
ラヴェルの性格
心優しいラヴェルですが、若い頃はかなりひねくれ者だったようです。
この曲を世間に発表した時、多くの人から(特に女性)からかなりの人気を博したそうです。
ですが、冒頭で述べたロンド形式は、伝統的な形式で、悪く言えば「古い」形式です。
ラヴェルは常に新しい曲・・・「水の戯れ」というピアノ曲(詳しく言うと別の記事かけてしまうほど長くなります)のような斬新で人々の感情に訴えかけるような、新しい音楽への道を切り開こうとしていたのです。
そんな彼にとって、古くからの伝統的な手法で作った曲には大して思い入れはなかったようです。(更に大衆に人気とあっては、そういうつもりで書いた訳じゃないと言いたかったのでしょう。)
ひねくれた一面もまた、彼の曲を素晴らしく飾る鍵となっているのかもしれません。
ラヴェルは「オーケストレーションの魔術師」と呼ばれるほどオーケストラの楽器の使い方が天才的に上手なのです。
皆さんも聞いた事がある「ボレロ」、この曲は同じメロディを延々と20分近く繰り返し、最後に盛り上がって終わる曲です。
この曲が彼を魔術したらしめた曲となったのです。
オーケストラ
オーケストラには様々な楽器があります。木管楽器・金管楽器・打楽器・弦楽器、更に細かく楽器があります。
「ボレロ」は同じメロディでも、別々の楽器の組み合わせで倍音による楽器の音色の違いを表現しました。
実際に聞いて頂ければわかると思います。
なぜ「亡き王女の為のパヴァーヌ」から「ボレロ」の話になったかと言うと、「亡き王女の為のパヴァーヌ」にはピアノ原曲の他に本人によるオーケストラ編曲があり、それがピアノ原曲と匹敵する位美しい曲となっているのです。
冒頭のメロディはオーボエが独特の優しい音色から演奏し始めます。
前半は管楽器、後半は弦楽器とメロディが移っていくのですが、それが実に妙技で、この曲を聞いてラヴェルを好きになった人は世の中に結構居るのではないでしょうか。もちろん私もその1人です。
フランスの印象はラヴェル
ここまでラヴェルの生い立ちと作品、作風をご紹介してきました。フランスの印象派と言えばラヴェルと言っても過言ではないでしょう。これを機にラヴェルの曲を聴いてみてはいかがですか?
きっとクラシックが好きになりますよ。