シンセサイザーの申し子 浅倉大介の作り上げてきた音楽
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浅倉大介と聞けば小室哲哉が思い浮かぶように、2人の音楽的な共通点は多く、実際に浅倉大介のミュージシャンとしての原点は小室哲哉との出会いにある。
TM networkのサポートメンバーとして活躍した彼は、小室哲哉からソロデビューの勧めを受ける。
そして彼のソロデビューアルバムからその後のaccessとしての活動へと繋がってゆくのである。
出典:http://rittor-music.jp/keyboard/feature/2013/12/1787
【執筆者】40代前半女性/滋賀
この記事の目次
もはや小室哲哉の弟子ではない、唯一無二の存在
出典:http://girlschannel.net/topics/53724/
確かに初期の浅倉大介作品には小室哲哉の影響を大きく感じるものがあり、弟子と表現されていたのも納得するのだ。
意図的か無意識かは定かではないが、小室哲哉らしい節回しやモチーフが使われている曲もある。
ところがじっくり聴き続けると、それらの曲からは明らかに小室哲哉には無い、浅倉大介の音の特徴が浮かび上がってくるのだ。
浅倉大介らしさとは
出典:http://robot8.net/archives/948
明らかな浅倉大介サウンドの正体とは一体何なのか。
独特のサウンドは彼のプロデュースした数々のアーティストの楽曲からもほとばしるように溢れ出ている。
それはひとことで言い表すなら「きらめき」ではないだろうか。
存在しないが目には見える「キラキラしたもの」や「輝き」が音となり具現化されているのだ。
彼は作曲家であり音楽プロデューサーであり、またソロアーティストでもあるが、最も特徴的なのは彼の「音作り」だ。
シンセサイザーという楽器が他の楽器と根本的に異なるのは、音色そのものを作り出せるという点だ。
バイオリンにはバイオリンの、ピアノにはピアノの音しか出せないのが、シンセサイザーは無限の新しい「音」そのものを作り出す装置なのだ。
その無限の可能性の中で、浅倉大介は彼にしか作れない音を作り続けてきた。
その音ひとつひとつへのこだわりは、彼の楽曲を聴けば実感する。
妥協の無い音作りの積み重ねでしか作り上げられない見事な音のバランス。
細やかに処理されたクリアな聴き心地は、明らかに音源から違うと感じさせる。
最近のソフトシンセの普及で手軽な音源で簡単に楽曲を作り出す事が出来るようになったが、彼はあえて、一からの音作りにこだわる。
ひとつの音色作りに数時間をかける事もあるという彼の楽曲には実に様々な音色が使われており、驚くことに1曲に100以上の音色が使われている事もあるというのだ。
そうと知ると、どこまでもその細かく作られた音を聞き分けたくなる。
そして高音質のヘッドフォンでじっくり聴き続けると、毎回新しい音が耳に飛び込んでくるのだ。
100回聴けば100の驚きがあり、音色だけではなくメロディーに隠された構成を紐解いていく感覚は、どこかバッハの曲の構成を分析する感覚に似ている。
恐らく誰もここまでこだわらないというレベルまでこだわった音作り、そして緻密な楽曲作りが唯一無二の「浅倉大介らしさ」を作り上げている。
その追求心に触れた時、彼の音への真摯な取り組みと情熱に頭が下がるのだ。
聴き手に寄り添う思い
音楽はいつの時代も作り手と聴き手がいて成り立ってきた。
それは今も変わらず、ミュージシャンが存在するのはそれを受け取る相手があってこそ、という事は彼も常々語っている。
そして、それを忠実に音楽活動の基本に据えているのが浅倉大介の音楽に対する姿勢でもある。
ともすれば突き詰めていけば難解になり、受け手には理解されにくくなる事を踏まえ、彼の音楽は常に聴き手の事を考えて作られている、という事にも気付く。
そして音楽を共に作り上げるボーカリストへの配慮も怠らない。ボーカリストの声が一番魅力的に響く音域を意識し、プロデュースされているのだ。
決して自分の世界に酔いしれた音楽を世に出すのではなく、必ず聴き手への思いとボーカリストへの思いが込められている浅倉大介の楽曲。
彼の作り出す音楽世界が一人でも多くの人の耳に触れ、その素晴らしさに気付いて貰いたいものだ。
【執筆者】40代前半女性/滋賀