教則本としてのバイエルの批判と良さとは
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ピアノを習った方ならだれもがご存知の「バイエル」。
ピアノの教本としてよく知られている言葉ですが、これは実はドイツの作曲家フェルディナント・バイエルのことだとご存知の方は少ないことでしょう。
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この記事の目次
初心者がスムーズにステップアップできる構成
フェルディナント・バイエルが著した「ピアノ奏法入門書」は、全106曲といくつかの予備練習で構成されています。
子供や初心者を対象としたピアノ教則本として、スムーズにステップアップできるようになっています。
1881年(明治13年)にアメリカ人ルーサー・ホワイティング・メーソンによって日本で紹介されて以来、ピアノを学ぶ者に最適な入門書として日本で長く親しまれています。
バイエルへの批判
日本では必ずピアノを学ぶときに最初に触れるバイエルですが、アメリカではごく少数となっています。
というのも、バイエルには右手がメロディー左手が伴奏というパターンが多い点、奏法に偏りがある点、調性に限りがある点、曲数が多く番号の連続でモチベーションが下がるという点などピアノを弾く人の個性を制限してしまうという点でデメリットが挙げられます。
現代でのバイエル
そういった批判から、ピアノを教える側も、いわば「堅苦しさ」のあるバイエルよりも、自由でテクニックが学べる教本を自分で用意したり、上記の問題点を改善した『改良版子どものためのバイエル』などを出版するなどの工夫がなされています。
こどものバイエル(上巻) [ 田丸信明 ] |
19世紀中頃に生まれた教材であるバイエルなので、その後の音楽の変化には対応できていないのが事実です。
世界的にも、ピアノ初心者や子供にバイエルから始めるという傾向もどんどん減ってきています。
しかし、確かにバイエルならではの良さや安定感は否定できません。
バイエルも活かしつつ、現代的な音楽に対応したテクニック等を学べる教本を併用しながら、ピアノを学ぶことがこれからのピアニスト育成のためには不可欠ですね。